【校長室通信】「礼儀・礼節」を重んじるとは・・・、形や手法ではない!(つづき)

「返事!あいさつ!声!ダッシュ!!」も・・・形や手法ではありません!

「一生懸命」「ていねい」「ひたむき」な様子は、人を感動させることができます。反対に、「いい加減」「適当」「だいたい」な様子は、人に残念な思いをさせることがあります。

前回記事の「礼儀・礼節」を重んじることができる人は、「一生懸命」「ていねい」「ひたむき」な様子も、きっと備えているのではないでしょうか。

繰り返しますが、「礼儀・礼節」を重んじるということは、行動の「形」や「手法」を伝えているのではありません。「返事!あいさつ!声!ダッシュ!!」も同様です。「返事」「あいさつ」「声」「ダッシュ」の一つ一つにはそれぞれ意味があり、これらの意味は、それぞれを徹底することで、何故、それにこだわるのかが理解できるようになります。

こだわることをせずに、説明だけを聞いても、残念ですがおそらく理解できないでしょう。まして、そもそも「そんなつまらないことをわざわざ言うな。」と否定していたとすれば、それは感覚や感性の違いなので、本当の意味を伝えることは困難です。また、「返事!あいさつ!声!ダッシュ!!」は「人格形成」の要因なので、イベント的な「あいさつ運動」とも違います。

ある野球の大会の開会式前日に、大会本部の荷物を球場に運んでいた時のことです。本部に荷物を置いて準備をした後、手洗い場の水道をチェックしに行くと、掃除のおばさんが水道を綺麗に雑巾で拭いておられました。「明日からよろしくお願いいたします。お世話になります。」と挨拶をすると、そのおばさんが、「みんな土で泥んこになりやるからね。綺麗にしといてあげんとね。綺麗な水道の方が、洗うにも気持ちいいでしょ。みんなにがんばってもらわないとね。」と話されました。「本当にありがとうございます。明日からがんばらせていただきます。よろしくお願いいたします。」と伝えて球場を出ました。

おそらくこのおばさんは、この日だけでなく、毎日、試合が終わると、次の日の試合のために同じように水道を洗ってくださっているんだろうなと思いつつ、選手たちにこの話を伝えました。すると、大会当日、選手たちの球場でのあいさつの様子、プレーの様子、ベンチの後片付けの様子等がいつもとは違っていました。おそらく、このおばさんの思いが伝わっていたのだと感じました。

日新高校で学ぶ生徒諸君には、今回、トイレ改修していただいたことを題材に、多くのことを深く考え、さらに感性を磨き、豊かな心を持った人に成長して欲しいと願っています。

日新高校新トイレ